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「どうだったかしら
皆とはしっかりお別れ出来た?」
キッチンのある部屋から
エプロン姿の
かあさん(桐条 亜衣子)が
顔をちょこんと出し
俺に問い掛けてくる
「まぁ、普通だったかな」
「悲しくは無いの?」
「全く悲しくないよ」
素っ気ない返事をしてから
創は二階にある自室へ
向かい唯一部屋に残っている
ベッドに倒れ込み
ボーッと漫画を読み
少し微睡みながらも
明日の事を考えてみる
俺は明日
憑代村(よりしろむら)と言う
ところに引っ越す事になっている
親父の転勤とかが
王道な理由なのだろうが
うちの場合は少し違う
それより
向こうに建てた家は
でかすぎるんじゃないか?
田舎暮らしは
初めてだな
向こうに行った時には
近くに買い物が
出来そうな施設すら
無かったし
一体どうなんだろうな
などと考えている内に
創は小さな寝息をたてながら
夢の世界へと落ちて行く
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