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中年警察官の話を遮るように、駅の正面のビルの間で女の悲鳴がする
周りではなんだ?と思いながらも、事件がよぎり知らん顔で帰ろうとする
「君はここで待ってなさい」
中年警察官は真剣な眼差しを送ると走って声の元に近づいていった。
「はぁ…やっぱ行かないとだめ?」
俺は走ってビルの間が見える位置まで近づいた
「君達はなにをしているんだい?」
中年警察官は3人の男にそう問い掛けた、奥にいる女子高生みたいなのが悲鳴をあげたのだろう
男達は中年警察官を見ると、焦ることもなくただ冗談を言っていた
「おいおい、お嬢さんが悲鳴なんてあげるからおまわりさんが来ちゃったよ」
リーダーと思われる男はそういって中年警察官をにらみつける
「まぁまぁいいじゃないっすか」
あとの2人は女子高生を見ながらにやけている
「君達は人の話を聞けないのか!!」
中年警察官は拳銃をとると男達にむけた
今の日本の警察官は麻酔銃の所持と発砲が認められている
「今から君達の身柄を拘束させてもらうよ!」
中年警察官は次の瞬間、ビルの間から弾きとばされた、リーダーの男の手にも拳銃が握られている
「コンタクトって便利だねーおまわりさん……って死んでるか…」
中年警察官の頭には銃弾の通った後ができていた
「結局俺がやらないといけないのか…」
そういって俺は男達の前にでる
「誰だお前は!」
リーダーの男は拳銃を俺に向ける
俺は左手でポケットから手の平に納まる程度の一枚のカードを取り出す
「コンタクト発動」
俺の左手にあったカードは真っ黒な刀になる、左手の甲にはアルファベットのSが十字になったような黒い紋章が浮かぶ
「お前は……確か…」
リーダーの男の手が震えだす
さっきまで女子高生を掴んでいた2人の手下がリーダーの異変に気付く
「どうしたんっすか?」
「お、お前等やれ!」
と、リーダーは手下に銃を振り回しながら命令する
「わ、わかりました!」
と、いうと手下の2人もコンタクトを使う
武器が出ないところを見るとまだ馴れていないようだ
「くらえー」
手下の一人が出した火の玉をよけると俺は闇に隠れるように体勢を低くとり近づき首の後ろを峰打ちする
「ぐぇ」
ドサッ
仲間が急に倒れてビビっているうちにもう一人の手下も同じように気絶させる
「あとは、お前だけだ、どうする?」
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