百獣の王は月に吠える

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「ここだ!!」 聞き覚えのある透き通る声はそれだけでしっかりした人というのが伝わってくる 「うわぁ、すごい道場ですね」 それに答えるように、包み込むような柔らかい声が道場から聞こえてくる 「寝てた……」 頭を起こして頭についた草を払い落とす すぐに起き上がると道場に向かう 中に入ると3人がコンタクトについて話していた 「あ、ゼロさーん!……あれ?」 ルナがこちらに気付いて、手を振りながら俺の頭を見る 「……どした?」 「髪染めなおしたんですか?」 俺が顔を振り否定すると、首をかしげてすぐに笑顔になる 「私の気のせいみたいです!!」 「とりあえず全員そろったな!」 すぐに楓がいつもの調子で仕切る 「早速で悪いがルナ…何があったかを話せるか?」 ルナは少し下を向いてから口を開いた なぜルナに聞かなければならないかというと、俺と楓がマスターから預かったマスターナイフを使って5人から話を聞かずに転送してしまったためである…… 「えっと……ゼロさんと別れてから……ですよね?」 全員がルナの言葉に耳を傾けた ルナは少しずつ思い出したくない記憶に顔を引きつらせながら話していく
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