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「んー……だとしても君には関係ないでしょう?」
榊原は眼鏡の奥の目を細くさせて、俺の手から力強く手を抜いた
「3年の生徒会長様が2年の獅子山みたいなやつを気にする方がよっぽど関係ないと思うけどな」
榊原は顔を少し歪めると、すぐに元の整った顔に戻り上に視線を移す
「いやー…彼とは一応仲が良かったんですよ……いろいろと…だから、彼が学校をやめる理由がわからなくて」
榊原は俺の後ろに隠れているルナを見ながら話を続けた
「確か彼女の名前をよく言っていたので何か知っているかな…と思いまして」
「無理矢理つれ回されてただけなので知りません!」
ルナは視線から逃れるように体を俺の背中にくっつける
榊原は表情を変えずに小声で俺達にしか聞こえないように呟いた
「知ってるんですよ……駐車場の地面をああいう風にできる人を……」
「っ!!」
まさかこいつ……コンタクトを知っている…
「おや……その反応だと君も知っているようですねー…」
キーンコーンキーンコーン
「んー…今日はお開きにしましょうかね…」
鐘が鳴ると榊原達は帰って行った
「大丈夫か?」
「……はい」
後ろで震えているルナの頭を撫でる
「安心しろ…守ってやるよ…」
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