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「あっ、おはよう絢!」
「おはよう裕子。...おぉ、今日も黒川先輩ファンは駅ではりこんでるね」
いつも裕子と待ち合わせしている、学校付近の駅に着くとファンの子たちが先輩を待つ光景が見えた。
この1年ちょっとの間毎朝みている光景なのでこの異常な光景もすんなり受け入れてしまっている。
「中には、おんなじ電車乗りたいって電車通学じゃないのに朝早くから王子の乗る駅まで行く子もいるんだって。絢知ってた?」
「それは、他の乗客の人は迷惑だろうね.....」
「駅の人から学校にクレーム電話きて、それ以来各駅で先生が見回りしてるんだって。
それからは、そういう子も減ったみたいだけど...」
そんなことになるなら先輩をVIP待遇で学校から車でもだせばいい。
むしろリムジンで送り迎えすればいい。
「毎朝何が楽しいんだろ...別に一緒に楽しくおしゃべりしながら登校できるわけじゃないのに。」
「そういう裕子だって、前は毎朝あの中にまじって後ろから登校してたじゃん。」
「まぁ....そうだけど....」
こういう光景みると本当に黒川先輩ってすごいんだなって思う。
昨日の出来事だって夢だったんじゃないの?
「あれ?あの前にいるのって山中君じゃない?」
私の指差す方を見た裕子は分かりやすいくらい真っ赤になった。
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