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ティアサイド
『ルーク…… 好き』
自分の側から離れ、やるべきことのために背を向ける彼に向けた『大切な想い』。面と向かって紡げなかった想いを口にした。
しかし、風に消され想いは彼の耳に届かなかったかもしれない。それでもいい、だって彼は帰ってくると約束したのだから。
『だが、現実は甘くない』
言われなくても分かってる。どんなに難しいことであろうとも私は、彼をずっと待ってると約束したのだから。
「私は、貴方が帰って来る日まで待ち続けるわ」
アルビオールに乗り込む仲間達に続いて自分も歩みを進めた時、ティアの耳に知らない、でも懐かしいような声が聞こえた。
いや。耳に、というより、体がその声を感じ取った。
『世界は…契りの場所は、無数に存在する。歪み始めた運命の地に、汝らを送ろう。汝らならきっと、奇跡を形作れるだろう』
アニ「あれ、ティア…?」
振り返って揺れたツインテールの後方には誰もいなくなっていた。
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