Sweet・Travel

13/40
226人が本棚に入れています
本棚に追加
/447ページ
朝、目を覚ますと、そこは、見慣れた自宅の寝室じゃなくて、泊まってるホテルのベッドの上だった。 浩史は、私を、抱きしめたまま、気持ちよさげに、眠っていた。 ベッド周りに、散らかってる衣服が、目に入る…。 片付けしなきゃ…。 そう思うが、今、動いたら、浩史を起こしてしまいそうなので、我慢した。 いつも、見てる顔なのになぁ…なんか、違って見えるのは、なんでかな? ああ…眼鏡ないからだ。 眼鏡掛けてる、キリッとした浩史もいいけど、ない時の顔も、なかなかいいよね…。 そうだ、コンタクト奨めてみようかな。 そうしたら、この顔が、いつでも、見られるじゃない…。 あっ…でも、昨日みたいな時は、外せないよね…。 余裕なくなるもんね…。コンタクトは、却下と…。 待てよ…ということは、この素顔を見れるは、嫁である、私の特権?!おおっ! たわいもないことに、喜んでいる私がいた。 ああ…今日も、いい天気だといいな。 ところで、今、何時かな? ううん…後、ちょっとが、と、届かないよぉ…。 「…ううん…どうした?」 「時計見たいんだけど…届かないの…」 「…時計?…ああ、時間知りたいのか…。ちょっと待てよ。 ヴェネチアの現在の時間は、朝の八時三十分だよ。 改めて…おはよう、奥さん。お目覚めは、いかがですか?」 「うん…すこぶる良好。 ところで、浩史は、疲れてないの?大丈夫?」 「…ぐっすりと、眠ったみたいだから、体は、うん、軽いよ。…快調、快調! 今日は、街の山側、行ってみようか? 見学させてくれる工房ないか、尋ねてみよう。 それから、お土産にする、硝子細工とか探しながら、ショッピングは、どう?」 「それ、いいね!さすが、私の旦那様、分かってらっしゃる!」 智世は、笑顔で、そう言った。
/447ページ

最初のコメントを投稿しよう!