一章

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「そりゃぁ着すぎじゃのぅ。 寒いのが嫌いならわしと一緒に乾布摩擦でもするか?」 「それ、セクハラになるよ? 牧は一応は女の子なんだから」 弘信が会話に割り込んでいく。 「そうか・・・なら弘信はどうじゃ? わしと一緒に汗を流さんか?」 後ずさる弘信をまるで蛇が獲物を狩るかのように壁に追い詰めていく。 「自分は遠慮するよ! 運動は嫌いなんだ!」 「そうか・・・なら運動が好きになるように鍛えてやろうかのぅ!」 「論点がずれているよ! おい、誰か助けてくれ!」 「えー、私は一応は女って言われたからなー。 この際に運動嫌いを治せばいいんじゃないかな」 一応と言われたのを根に持っていたのか牧は助ける気はないようだ。
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