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「ほれ、逃げ場がなくなったのぅ」
弘信は壁にと追い詰められ、巨漢に逃げ場をふさがれていた。
半ばあきらめていた弘信を助けるかのようにちょんちょんと宗吾は肩を叩かれて振りかえる。
「ん?
どうかしたのかのぅ」
振りむいた先には武明がいた。
「・・・そろそろやめたあげなよ」
「ふむ、武明がそういうならしかたないのぅ」
冗談だったのがあまりにも面白い反応をするので調子に乗ってしまていたようだ。
申し訳なさそうに宗吾は離れていく。
「武明、助かった・・・お詫びに百科事典をあげるよ」
ポケットから世界の呪い百科事典という本を取り出して、それを武明に差し出す。
「・・・うれしいけど遠慮しとく」
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