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「ごめん」
キミはわたしを見て、そう言った。
「ごめんだけじゃ、わからないよ。……はっきり言って?」
そう言うと、キミは言葉を発するのを拒みつつそっと告げた。
「………別れて」
「…しょうがないから、別れてあげるっ」
わたしはできる限り笑顔で言った。
キミに残る¨わたし¨は泣き顔じゃない、とびきりの最高の笑顔であってほしかった。
なのに、言うことの聞かないわたしの雫たちはわたしから溢れでようとする。
必死におさえた。きっと凄まじい顔をしていたに違いない。
「……じゃあねっ」
耐えきれなくてわたしはキミに背を向けて歩き出した。
本当は別れたくないよ。
本当は「キミじゃなきゃいやだ」って言ってくれるかもしれない、なんて期待してた。
ほんの少し前なら、「大好きっ」て言えたのに。
ほんの少し前なら、「大好きっ」て言ってもらえたのに………。
わたしの大好きな大好きなあの人との1年と少しの思い出。
聞いてくれますか……?
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