それぞれの想い

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「ねぇ、朱里」 「んー?」 朱里と幹部の部屋にいる 他のみんなは外にいるのだ 朱里とこうしていると 落ち着く 「私ね、たまに弱気になる」 朱里は驚いた顔をした そして微笑んだ 「人間だしな、それに 美亜はまだ高校生なんだし」 そうだ、私は普通じゃないが まだ高校生だ 「それにね、揺らぐ事がある」 朱里は真剣に私を見つめる 「決心したはずなのに その決断でよかったのか できるのか、不安になったりする」 相川の若頭候補の事もそうだし 冷桜に戻りたいという 気持ちもあるのだ それが考えるたびに揺らぐ 「一度は多くの者を守った だけど、たった一人大事なものを 守れなかった」 まるで、ジェンガのように 一つを抜いたら崩れていった 「大事な者が多すぎると また崩れそうで怖いんだ 最近、弱気になってしまう」 何かが始まろうとしたとき 私は必ず弱気になるのだ それは危険の知らせ 何か嫌な気がするんだよ 何回も感じる 「可愛いねー なんか幼く見えるよ」 朱里が笑う そんな朱里を私は見つめる 「俺も最近ね怖いんだ 梨恩が来て、俺の場所を奪われ もしかしたら、この赤桜まで 奪われそうでね」 ワザと明るく振舞う朱里に 少し胸がいたんだ .
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