それぞれの想い

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「梨恩は俺よりも強い アイツは本当は優しいんだ ただ、妹のためとなると おかしくなるんだが・・・」 それは私でも分かる 梨花さんに向ける梨恩さんの目は 何よりも優しい 本当に大事にしてるのが分かる 「総司を支えたのは梨恩だ そして赤桜をここまで戻したのも 梨恩なんだ 俺はね、何もできなかった」 悔しそうな顔をする 私の見慣れた赤桜は 総長の総司がいて 総長をささえる副総長の 朱里がいて、多くの仲間がいた 私がココを見ていた頃は 確かに朱里が総司を支えていた 「違うと思う」 朱里は真っ直ぐ私を見る なんて目をしてんだ この人はこんなにも 弱い目をする人だったか? 「朱里と梨恩さんが 二人が総司を支えたから 赤桜は元に戻れたんだよ 朱里がいなかったら 絶対に、元どうりにはならなかった」 自分が思ってるよりもずっと 貴方は総司から大切に思われてる 「でも、俺は・・・ 副総長から下ろされた」 朱里はずっとこのことを 胸につかえていたんだね ずっと、悩んできたんだろうね 「・・・辛くなかった?」 私は朱里の顔を覗き込む 夕日が、朱里の顔を照らす あぁ もうこんな時間か .
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