フラグブレイカー俺(自称)

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「ところで、サボりに来たのはいいけどなにする?」 「んー…、どうするかな。俺、実は寝ようかと思ってたんだよね。」 「あ、そうなの?」 「昨日は転校生が来るってワクワクして眠れなかったから。」 「あはは、遠足前の子供みたい」 あながち間違ってないから反論できない。 「あー、でも、せっかくマッシーも来てくれたことだし、何かやりたいな。」 「別に寝てもいいんだよ?」 「いや、せっかくマッシー来てくれたし…」 「じゃあ二人で並んで寝る?」 「何故そうなったし。」 それは親衛隊の子らとしてくれ。 「ふぁ…ぶっちゃけ、俺も眠いんだよね…」 「そうなの?」 あくびをしているのを見る限り本当に眠たそうだ。 しかし、あくび姿までイケメンとか。 「…んー、マッシーはいつクラスに戻る?」 「エイが戻るときに一緒に。」 「いや、俺今日一日サボるつもりなんだけど…」 「じゃあ俺も。」 いいのかい。影が薄い俺はクラスにいなくてもなんの問題もないけど、人気者のマッシーが全授業をサボり倒すなんて。 マッシーにそう聞くと「ま、いいんじゃない?」とのこと。適当だな。 まぁ、俺もマッシーもたまにしかサボらないんだし、たまにはいいか。 と思い、考えるのをやめる。 そして次はどうやって寝ようかと考える。 ここは腐っても空き教室な訳で、ほこりが被っている。そんなとこに思いっきり横になるのは気が引ける。 回りにあるのは机や椅子のみ。 普通のクラスとあんまり変わりはない。 もちろんベットなんてない。あったら怖いわ どーすっかなーと思ってたらマッシーが着ていたブレザーを脱ぎ始める。 今は六月で丁度衣替えの時期。夏服、冬服オッケーな時期だ。 俺は今夏服。一応ブレザーは持ってきてたけどクラスに置きっぱだ。 マッシーは冬服だ。(袖は捲ってる) ブレザーを脱ぎ、その上に横になったマッシー。 「エイも来る?」 そう言ってスペースを空けてくれるマッシー。 だが、 「いや、遠慮するわ」 なにが楽しくて男二人で川の字に並んで寝なきゃならない。いや、二人だから川ではないか。 俺は教室の壁側に移動し、壁に寄りかかるようにして寝ることにする。 横になるよりはマシだ。 ケータイを開きアラームを昼のチャイムに合わせて鳴るように設定する。 昼ご飯は食べたいからね。 そして目を閉じる。 「エイ、おやすみ。」 「ん…おやすみ。」 それから数分もたたずに意識は途切れた。
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