第2項 気付き

2/3
前へ
/7ページ
次へ
ジリリリリ、、、 何も考えず右手を音のする方に振り下ろす ゴシャッ ジリリリ、、、 降り下ろした右手は 目覚まし時計に当たらず ゴミの中埋まっていた その右手でゴソゴソとゴミをかき分け 手探りで叫び続ける目覚ましを探す 、、、 中々見つからないので諦める事にした 着替えを済ませ朝から叫び続けている目覚まし時計をそのままボロ社宅に残し 会社に向かう 「飯田くん、、、いい加減にしたまえ」 「なんですか?」 タイムカードを切りつつ 課長の問いに答えた 「他の皆は8時には来て仕事をしているんだ、なぜこれだけ言って早くこようとしないんだ!?」 「はぁ、、、」 「これだけ言っても直らないようなら上に掛け合って減給なりなんなりしてもらうぞ!」 「はぁ、、、」 いつも通りやる気なくそう答えると 課長はチッと舌打ちをし ながら いつもより激しくズカズカと自分のデスクに戻っていった なんと言われようが早く会社に来る気 は起きなかったが、今朝の課長はいつもよりキツめだった その証拠にデスクに戻るついでに他の従業員をどうでもいいような事で叱っていた しばらくして 他の社員同士の話し声が聞こえてきた 「えらい荒れてるな課長」 「あぁ、奥さんの浮気現場に遭遇したらしくて昨日の晩から今朝にかけて奥さんとずっと言い争いのケンカしていたらしいぜ」 他人の家庭事情に興味はないが この時はとばっちりを受けるのは 誰だと思ってるんだ、、、と なぜか課長の奥さんに腹が立った
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加