第2項 気付き

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昼休みが終わり午後になった 仕事場は静寂に包まれていた 無数のキーボードを叩く音だけがそこに人がいる証だった 私はその中でいつも通り黙々と仕事を続けていた しかし今日は周囲の少し様子が違う 静かすぎるのだ 普段であれば就労中は静かだが多少の雑談は聞こえてくる その異変の原因は同じ場にいる同じ課の人間は誰もが肌で感じ取っていた あのハゲ散らかしメガネのせいだ。 課長は朝から相変わらず少しでも自分に気に入らないことがあればその場まで飛んでいって、ストレスの捌け口にしてやる! という赤紫色のオーラを大気中に放っていた そんな課全体に蔓延しているであろう オーラを浴びて口を開こうなどと思う 愚か者はこの課にはいないようだった 静寂、、、 カタカタカタカタと言うタイピング音のみの世界 カタカタカタカタカタカタカタカタ、、、 カタカタカタカタ、、、ッターン、、、カタカタカタカタ 、、、パリーン 静寂の中に何かが割れる音が響き 同時に「アッチぃ!」という 叫び声が聞こえた。 それと同時に私を含め課の全員の視線が その音のする方に集まった
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