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8月上旬の陽射しが容赦なく照りつける。 私は鞄の中の折り畳み傘を使うことにした。日傘のかわりにはなるだろう。 周りを見渡すと意外とそうしている人が多かった。 それもそうだ。今日の暑さは異常なのだ。それに空は雲ひとつない快晴だ。 『長澤さんちょっとまって』 あまりの暑さにぼーっと立ちつくしていると後ろからゴリラの声が聞こえた。 『もういい加減にして!私に付きまとわないで!』 思わず叫びながら後ろを振り向いた。 『あっ…』 やってしまった… そこにいたのはゴリラではなく隣のクラスの三木君だった。 『長澤さん…どうしたの?僕そんなにしつこいかな…』 『ち…違うよ!ゴリラかと思っただけだよ!ごめんね…三木君だったんだ…』 必死に言い訳をした。 なーんだと笑って三木君は何か差し出してきた。 『ハンカチ、ロッカーの前に落ちてたよ。長澤さんのだよね』 それはハンカチだった。どうやら何かの拍子に落としたらしい。
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