【開かない扉】

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見送りの為に三人で外へ出ようとすると、玄関の側に置いてあった大きなボストンバッグを蹴ってしまった。 「ん?この鞄なに?」 見覚えが無いものということは永野か親父さんの荷物かな。 危ねぇ、俺が蹴らなかったら忘れ物するところだったじゃん。 あ、そうしたらもう一度ここに来てくれる理由になったのかな。 ……わーっ、俺のバカ! ってか、こんな事を女々しく考えちゃう方があり得ないか。 自分マジキモイ… 激しく自己嫌悪に陥って項垂れていると、後ろから明るい永野の声が降ってきた。 「あ、それ部屋に置いたままでいいよー!」 「永野の荷物?ここに置いておくのか?」 「うん♪ほら、早く外に出た出た!」 「わっ、ちょっと永野!分かったから背中押さないで!」
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