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気まずそうに視線を反らしながら謝った永野に、親父さんが「しゃーねぇな。」と声をかけた。
「まったく、祐希はよくこんな奴を手懐けたな。」
「手懐けたって…」
「うん。俺、祐希のことスッゲー好き。」
「へっ!?」
ちょっ、急になんだよ。
照れるじゃん!
「はっはっは。祐希ならいつでも嫁に来ていいぞ―!」
「えぇ!?」
そういう意味の好きじゃないでしょ!?
ていうか親父さん、さっき俺の事を息子だって言ってくれたのは!?
永野も俺の頭に顎を乗せて遊ばない!
「はは、髪ふわふわ。いー匂いするー。」
「…いつもの調子に戻ってなによりデス。」
「うん♪」
いつまでも俺を捕まえて遊んでいそうな永野の胸をポンポンと叩くと、名残惜しそうな顔をしつつも放してくれた。
ちょ、そんな顔されたら罪悪感が…っ!
「よし、二人とも落ち着いたな。そろそろ帰るわー。」
「あ、はい!本当にありがとうございました。」
「おう。じゃ、またなー。」
ヒラヒラと手を振る親父さんの乗った白い軽トラが走り去って行くのを永野と見送った。
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