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俺の道案内でアパートに到着し、親父さんと永野が荷物を固定していたロープを解く間に部屋の扉を開けに行く。
鍵を回すときに少々緊張したが、やはり問題なくあっさりと解錠された。
扉を開いたまま再び永野たちの許へ向かうと、親父さんが眩しそうに目を細めて二階の一室を見上げている。
「おー、祐希の部屋はあそこかー。」
「はい。二階で申し訳ないですけど、よろしくお願いします。」
このアパートは古い木造の二階建て。
アパートの中央に螺旋状の階段が設置されている。
各階に三部屋ずつあり、俺の部屋は二階の右端。
変ったことに、全ての部屋の扉の色が違っているのが面白い。
「よし、じゃあ上へ荷物運ぶぞー。」
「その前に部屋の掃除は?」
「昨日、大家さんが済ませてくれたらしい。」
後で挨拶回りをするときにお礼言わないとな。
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