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その場に居あわせた者の顔が真っ青になり、参謀や幹部たちがなにやら騒ぎ始めた
「全員、静かにしろ!」
副長のルイスの怒号が飛んび、参謀たちは押し黙った
「それで、これからどうしろと?」
ジェームズは、静かに言った
「現在、各サイド駐留艦隊の残存艦艇はルナツー方面に後退中だ」
「そして、ティアンム提督隷下の地球軌道艦隊が全戦力をコロニー落下予想地点に終結を開始している」
「地上からも核ミサイルをもって迎撃するが、それでもコロニーの落着を阻止出来ないやもしれん」
「よって我が艦隊は持ちうる全ての戦力を南太平洋南米チリ沖とパナマ運河に展開し、全ミサイル、精密誘導兵器、火器を用いて迎撃する」
「非常に困難な作戦となるが、各員の一層の努力に期待するところ大である、以上だ」
艦長は、真剣な眼差しで全員の目を見て全てを話し終わると、小さくため息をつき、後ろを向き天を仰いだ
「そんな…無茶苦茶だ…」
若い航海士が呟いた
「無茶でもなんでも我々はやらなけれはばならない、ジャブローがやられれば連邦軍の指揮系統は即死する、そうなれば戦わずして勝負がついてしまうぞ」
年配の航海長が、深いしわを刻んだ眉間を更に険しくしながら強い口調で周りに聞こえるように航海士に向かって話した
「そういうことだ、参謀長、作戦の立案を頼む」
さっきまで後ろを向いていた艦長が、こちらに体を向け鋭い目で参謀長に言った
「はっ!至急、作戦を立案します」
それを受けて、参謀飾趣を着けた、いかにも頭のキレそうな年配の参謀長は、部下を伴って作戦室へ走っていった
「航海長、進路を南南東に取れ」
「はっ!とーりかーじ!進路2-10-6!」
「とりかじ、アイ!」
航海長の掛け声に、操舵手がいきよいよく舵を取る
「CIC、レーダー、ソーナーから目を話すな、警戒を厳にせよ」
艦長は、艦長席に備え付けのマイクから無線に吹き込んだ
「アイ・サー!」
CIC統括官が、無線越しに返事をした
「砲雷長、すぐ撃てるように準備しておけ」
「アイ・サー、任せて下さい」
筋肉質な体と茶褐色の肌に鋭い目つきをした砲雷長は自信に溢れた声で言った
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