3人が本棚に入れています
本棚に追加
「ジェームズ、遅いぞ」
そう言った男は、大柄な体で、顎髭に眉間から頬にかけて斜めに傷が入っている恐もての顔をしていた
いかにも海の男の風貌の彼は、佐官以上が着れるコートに身を包んでいた
「ああ、すまないルイス」
ジェームズと呼ばれた男は、人だかりの輪のなかのルイスと呼ばれた男のすぐ隣まで歩いていった
「艦長がお待ちだぞ?早く行け」
ルイスはイタズラっぽく笑顔をうかべならジェームズに言った
「分かってるよ」
そう言ってジェームズは自分の向かい側で参謀と話している艦長に体を正対させていずまいを正した
「ジェームズ・ハンプマン大尉、出頭いたしました!」
「おう、やっと来たか大尉」
それを聞いて、ジェームズに気付いた艦長が抑揚のない声で首だけ向けて返事をした
「それで、ご用件は?」
敬礼を解きながらジェームズは、怪訝な表情を浮かべながら聞いた
「うむ、それなんだがね…」
艦長はやるせない顔で、途中で言葉を切った
「今宇宙で、サイド3が宣戦布告したのは周知の事実だと思うが…」
艦長はそこで一旦話を切った。
「…それで、我が軍と各サイドは壊滅的被害を受けたそうだ」
「「「な…っ!!」」」
それを聞いて艦橋にいた者全員が息を呑んだ
「…それで、我々にどうしろと?」
しかし、ジェームズだけは冷静に次に打つべき方法を考えていた
「情報部からの報告では、連中は次に『ブリティッシュ作戦』というものを準備しているらしい」
「ほう、『ブリティッシュ作戦』とは何です?」
「コロニーに核パルスエンジンを付けて地上に落下させるらしい」
「っ…!!」
流石に、これには驚いたらしくジェームズは目を見開いた
「…では、やはり目標は」
「ジャブローだ」
最初のコメントを投稿しよう!