夢から醒めて…

夢《出会い》

本堂への入口はこの門だけではないが、やはりここに多く人が集まっているらしい。

俺も多くの人がそれを撮るのと同じようにバッグからカメラを取り出すと、その門を何枚か撮る。
写真の何たるかやカメラの何たるかとか技術なんかは持っていないし、
知らなかったけど、とにかくその時は色々なものを撮ってみたくて仕方がなかった。
一通り撮影を終えるとカメラをしまおうとしたが、周りを見ると本格的なカメラをかまえる人たちはみな同じように撮影した写真をチェックしている。
自分も、それを真似て自分も同じようにチェックしてみる。
観てみると、どうということはない。
小さなディスプレイに映し出されたそれは確かによく撮れていた。
けれどそれはただのカメラの性能だと気が付かされる。
上手に撮るということには技術もなく、
綺麗に撮るということには知識が足りないと痛感した。
しかし撮ること自体はすごく楽しいと思った。