夢《出会い》

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ほんの少しの動揺でシャッターを下ろしてしまった。 慌てて彼女達の方を見直す。 彼女達は、おみくじを結んでいる。 幸い気が付かれなかったようだがプライバシーの侵害に当たるのではと、ディスプレイを確認する。 距離もあったのでよくは写っていないけど確かに彼女たちも写っていた。 しかし自分でも驚くほどよく撮れているなと思い、消そうかどうか迷う。 結果とりあえず消すのはいつでもできるので消すのはやめて帰ろうと思った。 けれどいい機会だからと本堂の中まで入ってみようと思い、本堂へ向かって歩く。 無神論者の自分がお参りをするのはいるかもしれない。 実際に存在するかはわからないが神様に対して無礼かもとも思いこういう事をするのは初めてだった。 中へ入ると装飾など含め、とても綺麗で美しく色々なところに目が留まる。 写真を撮ろうかとも思ったけれど場の雰囲気やカメラを使用していいかなどわからなかったのでやめた。 そしてちゃんとしたお参りをしようかと財布を漁ってみたが五円玉が無くてやめることにした 無神論者と言いながらげんかつぎをするのは自分でもおかしいと思うが、それでも一気にそんな気分は無くなり もう帰ろうと思う。 横目にお参りしている人達の中に彼女達の姿を確認すると、俺はその場を離れた。
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