夢《出会い》

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やっとの思いで外へ出ることが出来てホッとする。 門の外は人通りは多いけど中ほどゴミゴミしていないので気が楽だ。 「ふうー」 ひとつため息をつくと帰ろうとしたが寄り道しながら来たせいで道がわからなくない。 しばらく立ち止まりスマホとにらめっこを始めて駅の場所をを検索した。 「あの、すみません。」 そんな声が聞こえた。 しかし自分に声をかけているとは思いもせず無視してしまう。 「すみませーん」 スマホに目線を落としているとその目の前に急に顔が飛び出してきた。 「うわあ」 素っ頓狂な声を上げてしまう。 「わあ、ごめんなさい。」 そう、言って頭を下げた女性が顔をあげた瞬間に体が凍りつく。 さっきから気になっていた女性二人組髪の長い方、俺が特に気になっていた女性だった。 なんで声をかけられたんだろ? 写真撮ったのがばれた? それとも? 訳がわからない… しばらく唖然とし考えていたがわからない。 「すみませんでした。大丈夫です。ありがとうございました。」 と、突然言って頭を下げると行ってしまおうとする 「ちょ、ちょっと待ってっ」 自分でも驚くくらい少し大きな声を出してしまう。 その声に驚いたのかそのまま去って行こうとしていた。 彼女達は足を止めて振り返ってくれる。 それにそっと声を抑えて話しかける 「あの、その、どうしたのかな?あはは…」 変な愛想笑いをしてしまう。
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