夢《出会い》

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ちょっと待ってください。 そういうと背負っていたリュックから携帯電話を取り出す。 「えっと最寄り駅は錦町でホテルは錦町グランドホテルです」 っと、ケイタイを確認したのか思ったより簡単に教えてくれた。 また、そっと胸を撫で下ろす。 錦町って事はすぐ近くだけど乗り換えとかもあったかもしれない。 俺の説明でわかってもらえるだろうか? そんな事を考えてしまう。 「ゴメンちょっと待っててもらえますか?」 そうすると後ろを振り返りできる限り早く検索する。 やっぱり乗り換えもあるし駅は少し離れてるな。 「そういえばホテルから直接ここに来たの?」 もしも直接であれば説明も楽かもしれないけど別の所からだと説明だけでわかるだろうか? 不安になり尋ねてみる。 「一応今日は二カ所回ってきててここで三ヵ所目です」 ってことは同じ路線じゃなかったかもしれない 「ちなみに多分でいいからどっちから歩いてきたかわかる?」 検索結果からしてここから錦町に帰るとしたら多分向こうだけど、ここにくる前に寄った場所によっては違う路線の電車を使ったかもしれない。 そう考えると帰りは別の電車だ。 だとすると乗り換えもあるし説明は困難になる。 「多分ですけど向こうですね。」 と、彼女が指差した方向はここから錦町に行く路線の電車の駅とは方向が逆だった。 こうなると説明が厄介だ。
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