プロローグ《夢》

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夢をみた。 彼女と別れる夢。 それが夢だと解ったのは、 きっと 彼女を心から愛していたからで、 彼女が心から愛してくれていると、 思っていたからで、 それが夢であってほしいと思ったからかもしれれない。 「もう終わりにしよ?」 ゾッとするような言葉に、何かよく解らない感情がどこからか沸き上がってくる。 頭がボーッとして、体が熱くなった。 呼吸がうまくできない。 身体は小刻みに震えた。 視界がぼやけて辺りがよく見えなくなる。 足に力が入らない そんな感覚。 コレは夢… 思えば思うほどに、リアルな痛みが増していった。 夢なのに痛かった。 そのまま、なにも発することができないままに、ただ呼吸すること、立っている事に集中する。 無意識に出来ること、 していること、 それに意識を払わなければ、呼吸することも立っていることさえままならない。 そして意識を集中すればするほどなにもかもがおかしい事に気がつく。 俺はその場所を知らなかった。 気がつけば彼女は消えて部屋は真っ白になっていた。 異様な光景だが視界がはっきりしだした、 かと思えば今度は景色は歪む。 それは初めての感覚、 体調を崩したときもそうはならない。 そのくらいの感覚。 気がつくと足に感覚はなく両膝をついて四つん這いの格好 になっていた。 そこで夢の中にあるはずの無い意識は完全に途切れた。。。
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