プロローグ《現実》

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そして夢から醒めた。 目を開ける。 洋服とベッドは汗でびっしょりと濡れていて、 頭が割れるように痛かった。 と、同時に夢であった事に安心する。 どのくらい寝ていたのだろう? それもわからない位に意識がはっきりしない。 時間を知ろうと寝たままに時計を探す。 しかし部屋は知らない部屋だった、ここは俺の部屋じゃない。 体を起こそうとするがあまりの頭の痛みに一度断念する。 寝たままに部屋を見渡す。 まるで見覚えがない。 自分の部屋でも無ければ自分の家でもないし、友達の家でも無ければ見たことも来たこともない場所だ。 とにかくこのままではラチがあかない。 無理矢理に体を起こすとベッドに腰掛ける形をとると頭を抱えてしまう。 そのまま立ち上がろうとするが頭痛が治まらずにに立ち上がれない。 <ガチャ> 急に戸の開く音がしてギョッとしてドアの方を見る。 実際にはありえないことかも知れないけど、心臓が止まるかと思った。
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