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「もう目覚めていたんですね。」
そう言葉を発した男は中肉中背といった感じの男で、歳は自分より上かというくらいで見たこともない男だ。
「…………」
なにか喋ろうと、問い掛けようとしたがこの異様とも言えるような状況に、何も言えずにただ混乱していた
その様子を察したのか男はこちらに近づいてきた。
俺はそれに少しの不安を感じて身を引いてしまう顔は引き攣っていたかもしれない。
「なにか覚えていることはありますか？」
混乱しているので男の言っている意味がわからない。
「ここはどこで、あなたは誰ですか？俺はなんでここに？」
質問には答えないで形で逆に疑問を口にする。
男はそれに少し口元を緩めた
つねに笑顔…と、言うかにこやかな表情でいかにも優しそうな表情だがどこか感情のない顔に一瞬表情が見える。
それにちょっとした不安を覚える。
「ここは僕の家のゲストルームで、佐伯といいます。近所で倒れていたあなたを家まで運び介抱していました。」
男は変わらずにニコニコとした表情でいる。
「………っ」
その表情に何かを思い出しかけるが思い出せない。
「大丈夫ですか？」
佐伯と名乗った男は俺を心配したのか顔を覗き込んできた
「ええ、ただ少し頭が痛くて…」
頭痛のせいだろうか？
うまく物事を考えることができない。
「今、頭痛薬をお持ちします。しばらく待っていてください」
そう言うと足音も立てずに佐伯は部屋を出て行った。
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