プロローグ《現実》

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「色々と聞きたいことはあるでしょうが、頭痛が治まるまでは無理は控えてください。」 それだけ言うと、佐伯はさっき薬を取りに行ってくれた時と同じように足音もなく部屋を出て行った。 少しすると廊下の方から戸が開く音と閉じる音が聞こえる。 すると隣の部屋から僅かだが気配を感じた。 人見知りをする俺だけど、この時は混乱していたし何よりも激しい頭痛が考える余裕を与えてくれなかった。 俺は最初と同じようにベッドに横になるとゆっくり目を閉じた。 薬のせいだろうか? すぐに眠気が襲ってきた。 頭痛とこの異様な状況から目を背けるようにゆっくりとまどろみの中へと落ちていった。
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