ある週末

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理由ならきっと色々ある。 作った書類に何度もダメ出しされて凹んでたとか、問い合わせが色々重なって、それに答えていたら、自分が何をやってたか忘れたとか、仕事仲間に頼んであったはずの書類が出来上がってなかったとかとか… でも結局の所、ただ疲れてただけなんだと思う。 その日は金曜日だった。 ここ最近にしては少し早めの夜十時頃、会社を出た。 ビルから出てみれば、空は当然真っ暗で、街灯と店屋の看板が目の前の道路を明るく照らしていた。 この時間になれば、広いとはいえ幹線道路から一本入ったその道を走る車はまばらだ。 たまに走る車はむしろ物悲しい。 このまま帰ったら、この週末は引きこもってしまいそうだ。 週末に引きこもれば、私のことだから、具合を悪くして月曜も休むだろう。 体力の無さには自信がある。……威張れない……。 やることはいっぱいあるのに……。 私は駅に向かうのを止めた。 頃は夜十時。飲み屋も食い物屋もそろそろ片付け出す頃か? ……まだ、ちょっと早いか……まあ、いい。 とりあえず、近頃お気に入りの大きな風呂でリフレッシュしよう。 私は近所のスーパー銭湯に向かって行った。
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