ある週末

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腕に付けてるロッカーキーのバーコードを読み取り機に向けてピッ! えっと、十一番を押して、購入! 機械が動くのを静かに見つめる。 そう、そこだ! ……よし、取れた! そうだ、持ってこい! 落とすなよ! ガコンと音がして、一瞬待ってから取り出し口に手を入れる。 手に触れるのは、冷たく硬質で鋭い角のない入れ物。 ……ちょっとざらついてる。細かい傷があるようだ。 取り出して目にすれば、自然と頬が緩む。 ご対面! コーヒー牛乳様! いけないいけない、ここでニマついたら変な人だ。 脇の姿見に目をやって、冷静に自分を見れば笑顔も消える。 手に持つ瓶のシールを切ってから、軽く上下を反して蓋を開ける。 以前、蓋を開けた後上下を反しそうになって、慌てたことがある。 幸い寸でのところで手が止まり、大事にならずにすんだ。 以来気を付けるようにしている。……大事になってないから、気を付け方もいい加減だが……。 さて、蓋が開いたからには……堪能! 堪能する。 堪能する。 堪……もうない……。 諦めて、蓋を閉めて瓶を返す。 ゴミはゴミ箱へ。 頭に被ったバスタオルがずれてきた。 ついでに頭をかき混ぜて水気を拭う。 そしてまた頭にバスタオルを巻き付ける。 次は、ピッポンガコンで水を買う。 休憩所のベンチに座って読みかけの文庫本を開く。 中華ファンタジーだ。 ……こう書くと美味そうな気がする。……まあ、羊の丸焼きとか魚醤を使った汁ソバとか美味そうなシーンはあった。……今回は、汗臭くて血みどろなシーンの方が多いが……。 戦争シーンだから仕方ない。 だが、しっかり書かれているので、ガッツリ読みごたえがある。 ちょっとニートで実は弓の名手な主人公と彼を巡って花いちもんめな女とか女とか男とか男とか男とかな話である。……なんか違う……まあ、いい。
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