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(千尋はほんとドジだからなぁ。オレがいないとダメだな、はははっ!)
千尋のドジを笑って受け入れてくれた。
お前のそういうところがほんとに嫌い。いい加減にしろよ。)
些細なことでの喧嘩。
(かわいいよ。だーいすき!)
ストレートな言葉で、純粋に愛してくれた。
―この手をずっと離さない―
約束…してくれた。
走馬灯のように大地との想い出が頭を駆け巡る。
――ごめん…――
最後に大地が発した言葉。声は聞こえなかったが、千尋にはしっかりと届いていた。
(ごめんじゃ……ないよ…。なんで……なんで…)
千尋の頭は全てを理解したが、受け入れることを拒絶した。そして処理限度を越え混乱した脳は一時的なスリープモードに入った。千尋は気を失い、頭から血を流しいたるところに傷を作って横たわっている大地の隣に倒れこんだ。
こうして大地と千尋の二人の2013年のクリスマスは幕を閉じた。
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