episode,1

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  ♪ 王立学園、アルスタリア。 義務教育の初等部から中等部に加え、高等部、大学制度、研究院などもある。 ユグドラの東側のほとんどを占めるこの学園は、その敷地規模もさることながら、学生の数も凄まじい。 学園へ向かう竜車定期便に乗って一時間ほどかかる[白猫亭]にも、授業が終わった頃には学生が多く訪れる。 他都市から訪れている学園生徒は寮生活になるが、都市内に住んでいるのなら、自宅から通うことも認められている。 その正門、精巧な美術品のような装飾で彩られた門扉の前に立ち、ユーリ達は門を見上げた。 「うわぁ、すごいねぇ」 「……う、うん」 この街に住んで三年になるが、この区画に訪れることはあまりなく、遠くから眺めていただけで、こうして目の前に立つと、その存在感は圧巻だった。 「って、こうしてる場合じゃないか。 そろそろ時間になっちゃう」 ユーリが懐中時計を見て、しかし焦った様子も無く歩き出す。  
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