episode,1

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  立っている警備兵に近付くと、そちらもユーリ達に気付いて、一度突き出した左の拳を右胸に当てた。 右手に槍を持っているのが常の警備兵が行う一般的な敬礼だ。 「おはようございます! こちらは王立学園アルスタリア、南正門となります! 何かご用でございましょうか!」 まだ二十代に見える彼は大きくハキハキとした声で、緊張気味にユーリ達に問う。 軍部に入って最初の仕事は警備兵だと聞くあたり、彼は最近に配属されたのかもしれない。 それに今日は中等部の入学式でもある。 若い警備兵の彼が緊張で固くなるのも無理はない。 「本日、御学園に入学いたします、エウロディアの母、ユーリ=フォルセウスと申します。 学園長より式典前に訪ねるよう仰せつかったので参りました。 これがその案内状です」 ユーリは警備兵に礼をして、 羊皮紙を彼に渡した。 彼は羊皮紙の内容を見比べ、 「……ユーリ、フォルセウス…? まさか、貴女があの……?」 と驚愕の顔で呟いている。  
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