prologue

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  ずっと聞こえていた。 あまりにも当たり前で悲しい願い。 それを叶えるために、彼女はここまで来た。 「このコは、生きたいと願いました。 生まれたいと、願いました」 この汚れた世界で、苦しみながら、傷付きながら、それでもなお、光は消えない。 ユグは老獪に笑った。 『ならば、心配はいならい。 私にはその願いを叶える力がある。 ……いや、叶えなければならない、か。 そのコは、私達の罪だからね』 ユーリの掌の中で、欠片の輝きが強くなると、空に浮かぶ星々の煌めきが、少女達に降り注いだ。 『このコの名は決めたのかい?』 光の渦の中、ユグがユーリに問うと、彼女は満面の笑みで答えた。 「ええ、このコの名前は――」  
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