第七章 井戸にて

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『この人がお兄ちゃん?』 兄はイズミの想像とは正反対で、細身のイケメンだった。 服装も襟付きのシャツを着こなして、しゃれている。 バンダナどころか首に革チョーカーだ。 この男がこの部屋の住民とは意外だとイズミは驚いた。 「僕はライさんの同級生で大東イズミといいます。ライさんはどこですか?」 「ライは熱を出して家で寝ている」 行方不明だと知られているのにあからさまな嘘。 部屋に引きこもっているから、兄もニュースを見ていないのだなとイズミは思った。
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