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赤ずきん
「さぁ、おばあちゃんのお家まであと少し。ランララーン♪」
おおかみ(M)
「気のせい…だよね…?」
ー翌日ー
おおかみ(M)
「きっと君は今日も、この道を訪れる」
赤ずきん
「ランララッラッラーン♪」
おおかみ(M)
「やっぱり、来てくれた。この木のそばを、君は今日も横切っていく」
赤ずきん(M)
「……。昨日のおおかみさん、やっぱりまたここにいる…。でも、わたしのこと見てるだけで何もしてこない。どうしてかな?」
おおかみ(M)
「赤ずきん……かわいいな…。話しかけたい…」
赤ずきん(M)
「やさしいおおかみさん…。お話ししたいな」
おおかみ(M)
「けどダメだ。僕らの出会いは、終わりへのシナリオ。僕らが出会ってしまったら、僕は……」
おおかみ(M)
「彼女を初めて見た時から、一週間が過ぎた。赤ずきんはその間に何度も祖母の家へ通っていて、でも僕は、ただ隠れて見ていることしかできなかった」
赤ずきん
「ラーラララー♪」
おおかみ(M)
「声を……掛けたい…。でも、僕はオオカミだ。オオカミなんだ。人間を襲わなきゃいけない、獰猛な…!どうして僕は……オオカミなんかに…ッ!!」
赤ずきん
「………。」
【立ち止まる】
おおかみ
「…?」
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