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賑やかな祭りの奏で、美しい響き。
屋台の香り、または花火の香り。
ふたりで夏祭りを楽しみに来たのだが、人々の群れに落ち着けない純(じゅん)に気遣って、少し外れたところに移動したのだった。
ここは以前市役所だった場所で、今はもう使われていない。
古びていて部屋の中は真っ暗だったが、慣れてきて次第に見えるようになってきた。
「……ひさしぶりですね、こうして二人で外出するのは。気分はどうですか?」
「………悪くない」
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