risky crime

6/11
前へ
/11ページ
次へ
(欲しい……) 「今日は、どこから吸ってほしいですか。」 「…………手。」 僕は本能のままに、彼の手首に牙を差し込んだ。グチャリとグロテスクな音が耳に響き、純はかすかに顔を歪ませる。 すべてが新しい快感となって僕をよろこばせた。 飛び散った血をなめとると、純はクスッと笑う。 「……椎南(しいな)…また目が金色になったね。」 「……っ…ん………く…」 別に、人の血を飲まなければいけない訳ではないし、水だけで充分に生きていける。 しかし彼の血は…――― 異常に、美味いのだ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加