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(欲しい……)
「今日は、どこから吸ってほしいですか。」
「…………手。」
僕は本能のままに、彼の手首に牙を差し込んだ。グチャリとグロテスクな音が耳に響き、純はかすかに顔を歪ませる。
すべてが新しい快感となって僕をよろこばせた。
飛び散った血をなめとると、純はクスッと笑う。
「……椎南(しいな)…また目が金色になったね。」
「……っ…ん………く…」
別に、人の血を飲まなければいけない訳ではないし、水だけで充分に生きていける。
しかし彼の血は…―――
異常に、美味いのだ。
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