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竜王の住む海の底。
家の一つもない辺境に美しい男のクラゲが住んでいると噂がながれた。
彼は容姿も美しいが歌声もまた美しいと海の底で評判になっていた。
竜王は会いに行こうとしたが周りに止められて、仕方なく家来を二人クラゲの元に送らせた。
「本当にこんな所に居るのかよ?何もないぞ。」
「居なくても探さないといけないんだから、仕方ないだろ?見つけないと竜王様が城をほったらかして旅に出ちまう。」
「竜王様は本当にアクティブだよなぁ…」
「シッ!何か聞こえるぞ」
二人は顔を見合わせて目を見開いた。人魚の歌声よりも美しい歌声が聞こえる。
「もしかして…」
「もしかすると近くにクラゲが居る…?」
「呼びましたか?」
急に聞こえた声にビクッとして声の方向に目を向けると、確かに綺麗な男が岩に腰を掛けて微笑んでいた。
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