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取り敢えず見取り図の写メを撮って、それを見ながら購買に辿り着いた。
するとそこには、既に数人の学生が食べ物や飲み物を求めてたむろしていた。
そうした上級生の中に、見慣れた顔を見つけた。
「あれ?善往?」
名前を呼ばれて振り返る、やっぱりそうだ。
森下 善往
15歳 男
小学校からの親友で、頭脳明晰スポーツ万能。
おまけに背が高くて、顔もいい。
え?どーしてこんな凄いのと親友なんだろう俺…。
「お!久しぶりだなー、お前もここだったか」
「ここだったかって、言ったじゃんよ」
「お前もここだったのか…ユキ」
俺の後ろに姿を隠していた律が、顔だけ出してそう呟いた。
実は律は、善往のことが苦手である。
でかいから駄目…という割には、善往のことをユキとあだ名で呼んでいる。
そして善往は…。
「師匠!!なんでここに…メロンパン食べますか!?」
だ、そうだ。
師匠って、あってはならないと思うのだが、そう呼ばれている。
「いや、大丈夫だ…この人におごってもらうから」
「俺はおごらんぞ、善往におごってもらえ」
俺は…取り敢えずミニフランス買おう。
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