校内観光

4/9
前へ
/17ページ
次へ
取り敢えず見取り図の写メを撮って、それを見ながら購買に辿り着いた。 するとそこには、既に数人の学生が食べ物や飲み物を求めてたむろしていた。 そうした上級生の中に、見慣れた顔を見つけた。 「あれ?善往?」 名前を呼ばれて振り返る、やっぱりそうだ。 森下 善往 15歳 男 小学校からの親友で、頭脳明晰スポーツ万能。 おまけに背が高くて、顔もいい。 え?どーしてこんな凄いのと親友なんだろう俺…。 「お!久しぶりだなー、お前もここだったか」 「ここだったかって、言ったじゃんよ」 「お前もここだったのか…ユキ」 俺の後ろに姿を隠していた律が、顔だけ出してそう呟いた。 実は律は、善往のことが苦手である。 でかいから駄目…という割には、善往のことをユキとあだ名で呼んでいる。 そして善往は…。 「師匠!!なんでここに…メロンパン食べますか!?」 だ、そうだ。 師匠って、あってはならないと思うのだが、そう呼ばれている。 「いや、大丈夫だ…この人におごってもらうから」 「俺はおごらんぞ、善往におごってもらえ」 俺は…取り敢えずミニフランス買おう。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加