0人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は校内の駐輪場を探しながら、律にふと言った。
「お前他校だろ」
「ふぇ?」
そうだ、こいつは高校受験の時、城南の特進科を受けてたはずだ。
で、城南の入学式は25日にあったから、今日も学校のはず。
「城南の特進科受けたんだろ?」
こいつなら受かるだろうしな。
「いやいや、落ちたけど?」
律は、なにくわぬ顔で返事をした。
その顔は何故か自慢気だ。
「嘘だろ?まじか…」
「ま、体調悪かったし?もともとあんまり乗り気じゃないトコだったし」
「て…ことは、なにか?お前ひょっとして…」
「うん!私もここ、んふふ…」
…………まじか、間違いであって欲しかった、嘘って可能性はないか!?
なんか楽しそうだし、からかわれてるとか…。
「あ、その顔…さては信じてないね?」
ああ、信じたくないね……。
「まぁ、そうだよね~、何たってこの超絶美少女な幼馴染みが同じクラスになるかもなんだもんねー!!!」
きゃーっと、一人で悶絶しているこの女を見ていると…あの子かわいいとか一瞬でも思ってしまった保育園の俺をぶん殴ってやりたくなる。
最初のコメントを投稿しよう!