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呆れながら俺は小さく呟いた。
「そんなんだからいつまで経っても彼氏出来ねーんだよ」
「ずっといないみたいに言わないでくれるー?」
しっかりと聞いていた律が、すぐに切り返してきた。
そう、決して彼氏が出来ない訳じゃない。見た目は可愛い方だから、男は寄ってくるんだ。
「あのな?付き合い始めてから3日と経たずに幻滅されちゃ、付き合うに入らないんだよ」
「相手が勝手すぎるんだよ」
あー言えばこー言うし…と、律はダラダラ文句を述べている。
実際そういうのが嫌がられるんだよ、この前だって、チョコアイス食いたいって言ってたのに、買って戻ったらチーズケーキが食いたいだの、チョコじゃなかっただの…。
だめだな、こいつの文句をあげ始めると際限なく出てきそうだ。
「…ていうか、人の話聞いてる?」
「聞いてるよ」
話半分な…。
「人の話聞いてないから、彼女も出来ないんだよ?」
「俺はいいんだよ、そういうのは」
女ほど怖い生き物は他にはいないからな。
俺の隣のこの女が、それを証明してくれてる。
「フラれるのが、怖くて告白出来なかった事…まだ引きずってんの?」
「うるせーな!何年前の話だそれ!!」
「あちゃー、当たっちゃった!?」
ニヤッとわざとらしく笑うと、律は走り出した。
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