【全ては主人の御心のままに】

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英雄は蘇る、英雄は我等の前に立ち塞がる。 幾度滅ぼそうが必ず変わらず懲りもせず、正義を自称し立ちはだかる。 勇者は死に、女神の腹心も死に果てた。 奴等の切り札は消えてなくなり、残るは有象無象のみ。 だが残った人間共から新しい英雄が現れるだろう。 害虫のようにしぶとい生き物、害虫のように世界を腐らせ、我等を悪と断定し、自らは正義を名乗る愚か者、それが人間。 あばずれの思惑通りにさせるものか。 世界を、我が主人の愛する世界を、これ以上腐らせはしない。 大地を朱に染めてやる、奴等の血で紅蓮に染め上げて差し上げよう。 例え新たな英雄が現れても、例え見るに見かねたあばずれが新たな使者を、フレイラに代わる者を新たに寄越しても、俺はその全てを蹂躙する。 何年かかろうが構わない、俺は主人の命に遵守する。 主人の為に、主人の悲願を果たす為に。 俺は今まで以上の血を流すだろう、数多の骸を踏み越えて、一心不乱に突き進む。 その為には成るべきだ、今迄以上の修羅に。 ……全ては主人が為に、主人の願いを叶えんが為に。 俺は無慈悲な修羅になる。 成り果てねばならないだろう。 全ては主人の御心のままに。              完。
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