第一章

5/8
前へ
/74ページ
次へ
晩御飯をお母さんと食べていたとき、僕の夢、自由の国の話をお母さんにした。 「自由の国はね、ほんとうに自由なんだよ」 「そこではね、ずっと平和だよ。みんな自由に生活しているんだ」 「ほんとうに楽しい国なんだ」 こんな風な独り言のような言葉たちを、お母さんは相槌を打ちながら聞いてくれる。 でも、次に放った言葉だけにはお母さんは言葉を返してきた。 「自由の国はね、必ずどこかにあるんだよ」 「うん、きっとあるわよ、雄太。」 「きっとじゃなくて絶対にあるんだよ、お母さん」 少し不機嫌な声になったのかもしれない、お母さんは眉を下げ、戸惑ったような顔になり僕に謝る。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加