第一章

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「ごめんなさい、……そうね。きっとあるよ自由の国」 また、きっと、と言った。 僕はもうその台詞に言い返すことはしなかった。 「……ごちそうさま」 「まだ、ご飯残ってるわよ。雄太」 「もうお腹いっぱいなんだ」 そう言って僕は自分の部屋へ向かった。 お母さんの呼び止める声がしたが無視をした。 居間から廊下に出て、左に少し進み、曲がったところが僕の部屋だ。 部屋の扉を開けて、ベッドに飛び込んで寝転がって考えた。 どうしてお母さんは自由の国の存在に確信を持てないのだろう。 絶対にあるのに。 さっきの状況を思い出す。 自由の国の話のこと、自由の国の存在の話のこと、そして、ご飯を残してしまったこと。 ……お母さんの料理を残して悪かったな。
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