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次の日も、次の日も、加藤駿の通学時間は、どう彼女に話しかけるか、そう考えることだけで埋め尽くされていった。
今日こそ、今日こそはと、ゆっくり歩みを進める彼女に、立ち上がり手を伸ばす、しかしその手は、出かけた声と共に、彼女に届く前に止まってしまう。
彼女からしたら、目の見えない自分をからかっているようにしか思えないだろう。
彼女はきっと、深い傷を負うだろう。
それなら、彼女に声など、かけない方が良いのかもしれない。
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