異常な少女

7/15
前へ
/21ページ
次へ
「お兄ちゃん!早く椎名さんを起こしてきて!」  凪に怒られながら俺は渋々椎名が寝る部屋に向かう。  颯斗の一日の始まりは時雨椎名〈シグレシイナ〉を起こす事から始まる。 「椎名、入るぞ」  扉越しから声をかけ俺はドアノブを開く。  椎名の部屋は真っ白で埋め尽くされていた。  白いベッド、白いデスクトップ、白い椅子、白いカーテン、白い絨毯〈じゅうたん〉、白いタンス。  ここは白い異世界かと思うぐらい白い物しかない。  寝息が聞こえる、白いベッドの中で椎名は蹲〈うずくま〉るように寝ている。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加