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「お兄ちゃん!早く椎名さんを起こしてきて!」
凪に怒られながら俺は渋々椎名が寝る部屋に向かう。
颯斗の一日の始まりは時雨椎名〈シグレシイナ〉を起こす事から始まる。
「椎名、入るぞ」
扉越しから声をかけ俺はドアノブを開く。
椎名の部屋は真っ白で埋め尽くされていた。
白いベッド、白いデスクトップ、白い椅子、白いカーテン、白い絨毯〈じゅうたん〉、白いタンス。
ここは白い異世界かと思うぐらい白い物しかない。
寝息が聞こえる、白いベッドの中で椎名は蹲〈うずくま〉るように寝ている。
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