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知幸は、紙袋を彼女に渡した。
「君のために、僕が選んだんだ。これに着替えてくれる?きっと似合うよ。」
端整な顔立ちの知幸がじっと見つめながら言うので、彼女は夢見心地になってしまった。
紙袋を受け取ると、案内されるがままに洗面所に入り、着替えた。
紙袋の中には、下着からドレスまで着替えがすべて入っていた。
下着は外国のブランドのもので、豪勢なレースがついていた。
ガーターベルトにストッキング。
深いスリットの入ったイブニングドレス。
そのいずれもがオレンジ色だった。
彼が好きな色なのだと思うと、全身オレンジ色で身を包んで現れる自分は彼に選ばれたのだと、そう思えて彼女はいそいそと着替えた。
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