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「さぁ。Code-001。ここで静かに待ってるのよ?」
女の人は僕の手を離して、笑顔で言う。
僕は首をコクンと縦に降ると、その場に体育座りで座る。
女の人はコツンコツンと音を鳴らしながら歩いて行った。
広場のような場所に取り残された僕は黙って周りを見渡しては満足げにニヤニヤしていた。
「あなただぁれ?」
そんな僕に後ろから聞き慣れない声が聞こえた。
僕は瞬時に立ち上がり、振り返る。
そこには白い修道服のようなものを着た女の子が立っていた。
「え…あ…う…」
ごもごもと喋り、俯いていると、女の子は再度問いかけて来た。
「あなたはだぁれ?」
女の子の瞳は僕の瞳をじっと見つめる。
「う、あ…ぼ、僕は…」
「彼はCode-001よ。Code-002。」
さっきの女の人が戻ってきて僕の代わりに喋ってくれた。
「へぇー!!君がCode-001なの?」
女の子は僕に駆け寄ってきて僕をじろじろと見物する。
「あ…うん。Code-001、だよ。」
途切れ途切れで、でも言えた。
「そっか!!よろしくね!!私はナノだよ!」
その言葉を聞いて僕は顔をあげる。
彼女は手を差し出して笑っていた。
「こらっ!!Code-002!ちゃんと自分の事をCode-002と呼びなさい。」
女の人に彼女が突っ込まれて居るのを見て、なんだか安心した。
この子はやっぱりCode-002なんだと。
名前が無いのは僕だけじゃないんだと。
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